2020-06-04から1日間の記事一覧

幻の花 ~ 第三十一章 墨染め小町

仁和二年(八八六年)初夏、都に戻った小町は、紫野の雲林院に訪問し、遍昭と素性に会った。そこは花山元慶寺の別院になっていて、遍昭親子が管理していた。遍昭は光孝天皇と若い時から親交があったので、光孝天皇から花山僧正と呼ばれ、宮廷からも重用され…