寛平七年(八九五年)七月七日、七夕の日のことであった。宇治の僧が歌の上手な老婆がいるという噂を聞いて、小坊主たちを連れて関寺近くにやって来た。村人に訊きながら老婆がいるという山陰の里を訪ねると、辺りには飄々たる冷風が吹いていて、夏草も花を…
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